も  く  が  く
木  額
     




 延元5年(1340)楠木正行公の奉納による神号扁額である。(幅73cm、高102cm)

 表面は摩滅して、今はその文字を読み取ることは出来ないが、社記には『正一位 水分大明神』と二行に大書されていたとされ、後醍醐天皇宸筆とも伝えられる。

 裏面識字
『延元貮年丁丑四月廿七日被奉授御位記 同五年庚辰卯月八日題額草創之 左衛門少尉橘正行』

 この木額文字により、正行公が延元5年すでに左衛門少尉の官位を受けており、また自ら本姓橘氏を称していたことなどの証明史料として、しばしば引用される。

 この文字は正行公の直筆文字の現存史料として一番早いもの(最古)である。